トイレットペーパーを切らしてしまい、ついティッシュで代用した結果、トイレが詰まってしまった。この絶望的な状況で、多くの人はパニックに陥り、何とかしようと焦って行動してしまいがちです。しかし、その行動が事態をさらに悪化させ、修理費用を跳ね上げる原因になることも少なくありません。ティッシュが原因の詰まりに直面した時、まずは深呼吸をして、やってはいけないことを確認しましょう。 絶対に避けるべき行動は三つあります。一つ目は「繰り返し水を流すこと」。これは最も危険です。詰まりで塞がれた排水管に行き場のない水が追加され、便器から汚水が溢れ出すという最悪の事態を招きます。二つ目は「熱湯を注ぐこと」。熱湯は便器の陶器を急激な温度変化で傷つけ、ひび割れや破損の原因となります。三つ目は「針金や棒のような固いものでつつくこと」。便器内部のコーティングを傷つけたり、ティッシュの塊をさらに奥へと押し込んでしまったりするリスクがあります。 では、どうすれば良いのでしょうか。もし詰まりが軽度であれば、40〜60度の「ぬるま湯」をバケツでゆっくりと注ぎ、ティッシュがほぐれるのを待つ方法があります。それで改善しなければ、ラバーカップを試します。排水口にカップを密着させ、ゆっくり押し込んでから勢いよく引き抜く、という動作を繰り返します。 しかし、これらの応急処置で解決しない場合は、それが限界のサインです。無理に作業を続けるのではなく、速やかに専門の水道業者に連絡してください。ティッシュ詰まりは、初期対応を誤ると被害が拡大します。冷静に状況を判断し、プロに任せる勇気を持つことが、結果的に最も早く、安く問題を解決する道なのです。