トイレットペーパーがちょうど切れてしまい、ついそばにあったティッシュペーパーで代用してしまった。そして、何も考えずに便器へ。この何気ない「うっかり」が、後日、数万円という思わぬ出費に化けてしまう可能性があることを、私たちは知っておくべきです。たった一枚のティッシュが、驚くほど高くつくことがあるのです。 問題の根源は、ティッシュペーパーが持つ「水に溶けない」性質にあります。水に濡れても丈夫なままのティッシュは、排水管のカーブに留まり、後から流れてくる汚物や紙と絡み合って、頑固な詰まりを形成します。最初は水の流れが少し悪くなる程度でも、やがては完全に水の流れを塞き止めてしまうのです。 そして、専門業者を呼ぶ事態になった時、その代償を支払うことになります。まず、業者が現場に来るだけで「基本料金」や「出張費」として数千円がかかります。次に、詰まりを解消するための「作業料金」が発生します。ラバーカップなど簡単な器具で直ればまだ安く済みますが、それでは解消できず、専用のワイヤー機器や高圧洗浄機を使用することになれば、料金は一気に数万円単位へと跳ね上がります。もし、夜間や休日の緊急対応であれば、さらに「割増料金」が加算されるでしょう。 最悪の場合、詰まりがひどく、便器を一度取り外さなければならない大掛かりな作業になれば、その費用は五万円、十万円を超えることも珍しくありません。 たった一枚のティッシュを流した行為。その代償は、新しいティッシュを買うどころか、家族で豪華な食事ができるほどの金額になるかもしれないのです。トイレの横に数百円の小さなゴミ箱を置く。そのわずかな投資で、この高額なリスクを回避できると考えれば、どちらが賢明な選択かは明らかでしょう。