キッチンの蛇口からポタポタと水が漏れ始めた時、多くの人が「自分で直せるのだろうか」と考えるでしょう。部品代だけで済むDIY修理は非常に魅力的ですが、一方で失敗して被害を拡大させてしまうリスクも伴います。修理に挑戦するか、それともプロに任せるべきか、その判断基準を知っておくことが大切です。 まず、自分で修理に挑戦できる可能性が高いのは、水漏れの原因が明確で、構造が比較的シンプルな場合です。例えば、昔ながらのツーハンドル混合水栓の蛇口先端からの水漏れは、原因のほとんどが「コマパッキン」というゴム部品の劣化です。これは、適合するパッキンさえ手に入れれば、比較的簡単に交換できます。また、シングルレバー混合水栓のナットの緩みが原因であれば、レンチで締め直すだけで直ることもあります。 DIY修理を行う上で最も重要なのは、蛇口のメーカー名と型番を正確に特定し、適合する交換部品を間違いなく入手することです。型番は通常、蛇口の根元や裏側に刻印されています。この型番を元に、ホームセンターやインターネットで部品を探します。 一方、すぐに専門業者を呼ぶべきケースもあります。まず、蛇口の型番が摩耗していて読み取れず、どの部品を買えば良いか分からない場合です。また、シングルレバー混合水栓の「バルブカートリッジ」の交換は、パッキン交換より少し複雑な作業になるため、分解作業に自信がない場合は無理をしない方が賢明です。特に、10年以上使用している古い蛇口は、他の部分も劣化している可能性が高く、作業中に別の箇所を破損させてしまうリスクがあります。 DIY修理の鉄則は「無理をしないこと」。作業前に必ず止水栓を閉め、少しでも不安を感じたり、作業がうまくいかなかったりした場合は、そこで中断してプロに助けを求めましょう。その冷静な判断が、結果的に最も安全で確実な解決策となります。
蛇口のポタポタは自分で直せる?修理の判断基準