キッチンの蛇口からポタポタと絶え間なく落ちる水滴。シンクに響く音が気になるものの、「ほんの少しだから」と修理を先延ばしにしてしまう人は少なくありません。しかし、その「ほんの少し」が、年間を通じて見ると驚くほどの量の水を無駄にし、あなたの家計を静かに圧迫しているのです。 環境省のデータによると、蛇口から「ポタポタ」と水滴が落ち続ける場合、1ヶ月で約3立方メートル、つまり約3000リットルもの水が無駄になる可能性があるとされています。水道料金は地域によって異なりますが、1立方メートルあたり200円から300円と仮定すると、これだけで月に600円から900円、年間では7200円から10800円もの金額が、文字通り水に流れている計算になります。これは、家族で外食が一度できるほどの金額です。 もし水漏れの量が「糸を引くように」ツーっと流れ続ける状態になると、その損失はさらに深刻になります。この場合、1ヶ月で無駄になる水量は約20立方メートル、水道料金に換算すると月に4000円から6000円、年間では48000円から72000円にも達する可能性があります。ここまで来ると、もはや見過ごせる金額ではありません。 このポタポタ水漏れの主な原因は、蛇口内部のパッキンやカートリッジといった消耗品の劣化です。これらの部品は、数百円から数千円程度で購入でき、交換作業自体もそれほど難しいものではありません。もちろん、専門業者に依頼すれば数千円から1万円程度の費用がかかりますが、長期的に見れば、放置して無駄な水道料金を払い続けるよりもはるかに経済的です。 蛇口のポタポタは、単なる不快な音ではなく、家計からの悲鳴です。その音に気づいたら、一日も早く修理に取り掛かることが、賢い節約の第一歩なのです。