今や日本の家庭に広く普及している温水洗浄便座、通称ウォシュレット。ボタン一つで快適な洗浄機能を提供してくれるこの便利な機器も、内部には水を扱う複雑な構造を抱えており、時として水漏れなどのトラブルを引き起こすことがあります。その基本的な仕組みと、注意すべき水漏れのポイントを知っておきましょう。 ウォシュレットの基本的な構造は、水道から分岐させた給水ホースを通じて本体に水を取り込み、その水を内蔵されたヒーターや瞬間湯沸かしユニットで温め、ノズルから噴射するというものです。この一連の動作を、本体内部の電磁弁やポンプ、電子基板などが精密にコントロールしています。 水漏れが起こりやすい箇所は、主に三つあります。一つ目は、最も多い「給水ホースと本体の接続部分」です。止水栓から分岐してウォシュレット本体へと繋がる部分で、接続ナットの緩みや、内部のパッキンの経年劣化が原因で水が漏れ出すことがあります。 二つ目は、「ノズル」からの水漏れです。使用していないのに、ノズルの先端からポタポタと水が垂れ続けている場合、ノズル内部の水を制御している電磁弁が故障している可能性が高いです。これは、電子部品のトラブルであるため、個人での修理は困難です。 三つ目は、「本体内部」からの水漏れです。ウォシュレット本体の側面や底面から水が滲み出ている場合は、内部の配管や部品が破損している可能性があります。この場合も、すぐに使用を中止し、専門の業者に点検を依頼する必要があります。 ウォシュレットは電気製品であるため、水漏れを放置すると漏電や感電といった重大な事故に繋がる危険があります。水漏れに気づいたら、まずコンセントを抜き、止水栓を閉めてから、原因箇所の特定を行いましょう。そして、少しでも修理に不安がある場合は、無理をせずメーカーのサポートや水道業者に連絡することが、安全を確保するための最も重要な行動です。